母乳育児がどうも軌道にのっていないと思った時の5つの原因と解決法

授乳

母乳は赤ちゃんの栄養として重要であるだけではなく、免疫を高めて病気を予防したり、アレルギーなどになりづらくなるなどの効果があります。

乳幼児突然死症候群なども母乳育児の赤ちゃんのではリスクが下がることがわかっています。

さらにママにとっても母乳育児には大きな意味があります。

赤ちゃんが母乳をママから直接飲むことで、子宮収縮を早めてママの体の産後の回復を助ける効果があります。

でも、母乳育児をしたいのに、母乳の出が悪かったり、赤ちゃんが母乳を飲む量が足りていなかったりといった場合どうしたらいいのでしょうか?

今回は母乳育児がどうも軌道にのっていないと感じた時の原因と解決法について考えていきたいと思います。

母乳不足の原因と解決法

.母乳はママの血液から作られる

母乳は何からできているのでしょうか?

実は母乳はママの血液から作られています。赤ちゃんに母乳をあげることはママの血液を分け与えていることとも言えます。

そして、血液はその90%が水分です。つまり、赤ちゃんに母乳をあげているママは常に水分が不足しやすい状態なのです。

ママの水分が不足すると当然、母乳も生成されずらくなってしまいます。

ですから、ママは普段よりも多めに水分を補給しなければなりません。

では、どれくらいの水分を取ったらいいのでしょうか?

通常、体重50kgの女性では約2Lの水分を取ることが必要とされています。

ですが、授乳中のママでは3Lの水分が必要です。さらに真夏などでは4L以上の水分を補給しなければならないこともあります。

しかし、水を飲んで3L以上の水分を補給しなければならないと言うわけではなく、食事やお茶などからも水分は補給できます。

もう1つ血液から母乳を作る上で大切なのは、血液の循環を良くするということです。

体が冷えていると血液の循環が悪くなり、おっぱいの乳腺に流れる血液も減少してしまいます。

すると、やはり母乳が生成されずらくなってしまいます。

授乳中のママは体を冷やさないように、着るものなどに気をつけましょう。

また、足湯やマッサージをしてみたり、体を温める飲み物、食べ物などを積極的にとって体が冷えないように注意して、血液の循環を良くするようにしましょう。

.母乳はホルモンの働きによって作られる

母乳を赤ちゃんにあげるために、ママの体の中で重要な働きをする2つのホルモンがあります。

それは、プロラクチンとオキシトシンです。

プロラクチンはママの血液から母乳を生成するときに働くホルモンです。

プロラクチンは赤ちゃんがママのおっぱいを飲むことで分泌されます。そしてママの睡眠中に母乳をたくさん生成します。

また、プロラクチンは1日8回以上の授乳によって、ママの体の中の濃度が保たれるので授乳回数を保ちましょう。

オキシトシンは生成された母乳を外に押し出す時に働くホルモンです。

オキシトシンも赤ちゃんがママのおっぱいを飲むことで分泌が促されて働きます。

どちらのホルモンもストレスや睡眠不足、過労などによって影響されやすいので、ママは適度な睡眠や休息を積極的に摂るようにしましょう。

ストレスを溜め込まないように何か気分転換できることをするのも大切です。

.母乳はママの食べる食事から作られる

母乳はママの食事から作られるので、ママの食事はとても大切です。

糖分、脂肪分の取りすぎは母乳の質を下げたり、ママの乳腺が詰まりやすくなったりします。乳腺炎などの予防のためにも糖分や脂肪分の摂取には注意しましょう。

他にも塩分、香辛料、添加物なども取りすぎは好ましくありません。

同時にママは母乳を作るためにカロリーをたくさん消費します。

カロリーが不足すると母乳が上手く生成されない可能性があるので、通常よりも多くカロリーを摂る必要があります。

通常の必要カロリーよりも300から500kcalを目安に多くとるように食事などの内容を工夫してくださいね。

母乳が足りていても赤ちゃんが上手く飲めていないこともある

ママの体で母乳がしっかりと作られていて、乳腺のつまりなどがなかったとしても、赤ちゃんが上手く飲めていないということもあります。

赤ちゃんが上手く母乳が飲めない原因には飲み方と姿勢の2つが考えられます。

.飲み方

赤ちゃんがママの乳首を吸うような形で飲んでいる場合、赤ちゃんの口の中に乳首が浅く入っています。そのような飲み方の場合には上手く飲めていない可能性があります。

上手く飲めている時には赤ちゃんがママの乳房に大きく口を開けてかぶりつくような状態になっています。この時、赤ちゃんの口の中に深くママの乳首が入ったような形になります。

.授乳姿勢

授乳姿勢には縦抱き、横抱き、斜め抱き、フットボール抱き、添い寝など様々なバリエーションがあります。

縦抱きでは赤ちゃんが上手に飲めない時でも、横抱きだと上手く飲めるといったこともあります。

ママと赤ちゃんの最も上げやすい、飲みやすい授乳姿勢を色々と試してみるといいでしょう。

母乳育児を軌道に乗せるには時間が必要

特に初めての赤ちゃんに対しておっぱいをあげる場合、すぐに十分な母乳が出ないということも珍しくはありません。

母乳育児が軌道に乗るにはある程度の時間が必要になります。

頻回授乳によって母乳生成が順調にできるようになったり、赤ちゃんが上手く飲めるようになったりするのに1ヶ月から3ヶ月くらいかかることもあります。

最初は上手くいかないことが当たり前と考えて、足りない分はミルクを足すなどして徐々に母乳育児を軌道にのせていきましょう。

大切なのは諦めずに続けていくことです。

まとめ

母乳育児が上手くいっていない場合、原因は1つではなく、複数あることがあります。

専門的な知識は必要ありませんが、母乳ができる仕組みを大まかに知っておくことが決して無駄ではありません。

また、母乳育児はママだけではなく赤ちゃんの飲み方もまた重要です。

赤ちゃんが飲みやすいようにママは姿勢や飲み方などを上手にリードしてあげましょう。

母乳育児がなかなか軌道にのっていないな、と感じた時にこれらのことを参考にしてみてはいかがでしょうか?