母乳は虫歯の原因になる? 乳歯が虫歯になる原因と予防の方法

赤ちゃんの乳歯は生後半年くらいになると下の前歯から生え始め、2歳半くらいに上の奥歯が生えて揃います。

この間、赤ちゃんは母乳から離乳食(補完食)へと移行しはじめますが、夜間の授乳などはなかなかやめられないことも多いようです。

そのような場合、夜間の授乳が乳歯の虫歯の原因になったりはしないのでしょうか?

夜間に授乳した後は歯磨きなどをしたほうがいいのでしょうか?

今回は授乳中の乳歯の原因と虫歯予防について考えていきたいと思います。

乳歯の虫歯の原因

1歯が弱い

大人に比べてまだ生え始めたばかりの赤ちゃんの乳歯はエナメル質が弱く柔らかいので溶けやすいために虫歯になりやすいといえます。

2虫歯菌への感染

虫歯の原因となる虫歯菌(ミュータンス菌)は赤ちゃんの口の中には本来は存在しません。

しかし、身近に虫歯のある大人(特に両親)がいる場合に、何らかの原因によって大人の虫歯菌が赤ちゃんに感染してしまうことがあります。

特に、大人が食べ物を口移しで与えたり、食器を共用したり、赤ちゃんの口にキスをしたりした場合に虫歯菌が感染する可能性が高くなります。

2砂糖

歯を溶かす酸の原料は砂糖(ショ糖)などの糖質です。

離乳食期に酸の原料となる砂糖(ショ糖)が入った甘い飲み物やお菓子などを与えると虫歯の原因になります。

3唾液

唾液は歯を溶かす「酸」を中和し、虫歯になるのを防いでくれます。

しかし、唾液は睡眠中には分泌量が減るので、寝る前の食べ物には特に注意が必要です。

赤ちゃんは大人に比べて睡眠時間が長いので、唾液の分泌量が減って虫歯になるリスクも高くなります。

母乳は虫歯の原因になる?

虫歯の原因の一つである糖質は母乳の乳糖にも含まれているので、虫歯になるリスクはゼロではありません。

しかし、母乳の乳糖は砂糖(ショ糖)と比べると虫歯になりずらく、母乳に含まれているラクトフェリンも虫歯菌の増殖を防ぐ働きがあるといわれています。

そのため、母乳が虫歯の直接の原因になることはないと考えられています。

しかし、歯に食後の磨き残しによる食べかすがついたままで母乳を飲んだ場合には虫歯になることがあります。

赤ちゃんの虫歯を防ぐにはどうしたらいいのか?

1.甘いものは与えない

できるだけ砂糖の入った甘い飲み物や食べ物などは与えないようにして、食後は麦茶や水を飲ませましょう。

また、おやつにもできるだけ砂糖の入った甘いものを与えないようにしましょう。

2.歯磨きをする

できれば毎食後、最低でも1日一回はガーゼなどで歯の表面を拭くか、歯ブラシで歯を磨きましょう。

3 周りの大人も虫歯治療をして虫歯をなくす

周りの大人、特に両親は虫歯の治療をしましょう。

赤ちゃんは周りの大人から虫歯菌が感染することによって虫歯になります。

大人の虫歯がなかったり、きちんと治療をしてある場合、赤ちゃんへの虫歯菌の感染リスクが減少します。

まとめ

赤ちゃんの虫歯は、元々乳歯のエナメル質が弱く溶けやすいことに加えて、

  • 大人からの虫歯菌の感染。
  • 砂糖(ショ糖)の含まれる甘い食べ物や飲み物を原料とした「酸」によって歯が溶ける。
  • 唾液の分泌が減少して口内の酸の中和が十分にできない。

といったことが重なることで起こります。

乳歯が虫歯になるのを防ぐためには 、

食器の共用や食べ物の口移し、口へのキスなどをやめることや大人の虫歯をなくして、周りの大人からの虫歯菌の感染を防ぎます。

また、砂糖の入った甘い飲み物や食べ物をなるべく与えないようにして、唾液の分泌が減る夜間に虫歯になるのを防ぎましょう。

母乳は虫歯の直接的な原因にはなりずらいものの、歯に食べ物のカスがついたまま母乳を飲んだ場合には虫歯になりやすくなります。

それを防ぐためには、最低でも1日1回は歯を磨いて乳歯に食べ物のカスを残さないようにすることが大切です。