過飲症候群と言う言葉をご存知でしょうか?
過飲症候群は新生児期に多い、母乳やミルクを必要以上に飲み過ぎてしまう、赤ちゃんの症状をいいます。
しかし、多くのママは出産後の授乳指導で「赤ちゃんがおっぱいを欲しがったら欲しいだけ上げて良い」と言われた方も多いと思います。
そのために、赤ちゃんが泣いておっぱいを欲しがっていると感じた時に授乳を繰り返し、1ヶ月検診の時にお医者さんから「過飲症候群の疑いがあります。」と告げられてショックを受けるケースも多いようです。
過飲症候群は決して病気ではないので過度な心配はいらないようですが、赤ちゃんが苦しいのはなんとかしてあげたいですよね。
そこで今回は自分の赤ちゃんが過飲症候群の疑いがある場合の原因や症状、その解決法について考えていきたいと思います。
過飲症候群の原因
赤ちゃんが過飲症候群になってしまう原因の1つに「泣いている=おっぱいが欲しい」と誤解してしまうということがあります。
赤ちゃんが泣く理由は必ずしもおっぱいが欲しいだけではないのですが、初めての赤ちゃんを育てているママにとってはまだ育児を初めて数週間の経験しかないので、つい「泣いている=おっぱいが欲しい」と思ってしまうのも無理はありません。
本当は「暑い」「寒い」「オムツが濡れて気持ち悪い」などなど様々な理由から泣いているのですが、吸啜反応のある赤ちゃんはおっぱいを口に咥えると自然と飲んでしまうのでママも誤解だと気付きづらいのです。
そして、「お腹がいっぱいで苦しい」という理由で泣いていてもさらに授乳してしまって過飲症候群になってしまうという悪循環になってしまいます。
過飲症候群の症状
では過飲症候群を疑われる場合、どのような症状がでるのでしょうか?
1 1日に50グラム以上の体重増加がある
通常新生児の平均的な1日の体重増加は25gから30gです。もし、平均して1日に50g以上の体重増加があるような場合には過飲の疑いがあるかもしれません。
2 おなかがパンパンに膨れている
授乳後の赤ちゃんのお腹がでべそになりそうなくらいにパンパンに膨れていて、一日中その状態が続いているようであれば過飲症候群かもしれません。
3 頻繁に吐いてしまう
赤ちゃんが授乳後に吐いてしまうことはよくあるのでそれほど心配はいりませんが、授乳後に頻繁に吐いたり、たくさんの量を吐く場合には過飲症候群の可能性があります。
4 むせる
授乳中にむせることも珍しくはありませんが、やはり頻繁にむせる場合には過飲になっている場合があります。
5 いきむ、うなる
授乳後に赤ちゃんが苦しそうにうなったり、いきんだりすることが頻繁にあるような場合には飲みすぎて苦しい可能性があります。
6 便秘する
過飲症候群になると便秘する赤ちゃんも多いようです。また、水っぽいウンチが多くなる事もあります。
これらの症状が出ている場合には過飲症候群の可能性がありますが、その他の病気の可能性もあるので心配な場合には小児科などで診てもらうといいかもしれません。
解消法
では、赤ちゃんが過飲症候群であるとわかった場合には一体どうすれば良いのでしょうか?
過飲の場合、単に授乳量を調整すれば良いといえますが、赤ちゃんの授乳量を闇雲に減らしてしまうのは、低栄養などの危険もあるのでオススメできません。
授乳量が充分に足りていることを確認して医師などの指導を受けながら進めていきましょう。
・ベビースケールを活用する
ベビースケールを使えば、一回の授乳でどれくらい飲んだのかが正確にわかるので、飲みすぎや不足がすぐにわかるのでオススメです。
また、毎日体重を測って平均して50g以上の増加になっていないかを確認することもできます。
・泣いている原因を探る
赤ちゃんが泣いている原因はおっぱいが欲しいからだけではありません。
寝たいのに眠れない、暑い、寒い、衣服が当たって気持ち悪い、オムツが濡れているなど様々な原因があります。
赤ちゃんが泣いたらこれらの原因で泣いているのではないか、を確かめて、抱っこしてみたり、あやしたりして様子を見てみましょう。
・たて抱きだっこをしてあげる
もし、飲みすぎて苦しそうな時にはゲップなどをしやすいように、たて抱きでだっこをしてあげるのも効果的です。
首が座っていない新生児はしっかりと頭を支えてあげて、たて抱きをしましょう。
・体操をする
過飲症候群の赤ちゃんは便秘しやすくなります。
赤ちゃんの足を持って、優しく歩くような動きをする体操をしてあげると腸に刺激となってウンチがでやすくなります。
・綿棒浣腸をする
赤ちゃんが便秘をしているときには上の体操の他にも綿棒浣腸などをしてウンチを出してあげるといいでしょう。
綿棒浣腸は大人用の綿棒の先にオリーブオイルやベビーオイルをつけて1センチほどお尻にいれてゆっくりと優しく回転させます。
急にウンチが出てくる場合もあるので、綿棒浣腸をするときにはお尻の下に新聞紙やオムツなどを敷いてしてあげましょう。
まとめ
頻回授乳をしている赤ちゃんの体重が1日50g以上増えてしまう場合には過飲症候群の可能性が有ります。
また、お腹がパンパンに張っている、吐き戻す、むせる、うなる、いきむ、便秘するなども過飲症候群の症状のひとつです。
もし、過飲症候群であることがわかったら、ベビースケールなどで授乳量を把握した上で授乳量の調整をしましょう。
闇雲に授乳量を減らすのは危険なので注意しましょう。
赤ちゃんが泣いている原因はおっぱいだけではないので、その原因をしって授乳以外であやす工夫も必要です。
飲みすぎて苦しそうな場合には、たて抱きにしてあげたり、体操や便秘解消の綿棒浣腸などをしてあげるのもいいでしょう。
もしもあなたの赤ちゃんが過飲症候群ではないか?と思い当たるようであればこれらの方法を試してみてはいかがでしょうか?