生後4ヶ月頃の赤ちゃんの夏のお出かけには日よけ対策はどうしたらいいのでしょうか?
日焼け止めをぬってもいいのでしょうか?
それとも赤ちゃんのデリケートな肌にはまだ余計なものはつけずに、日傘やシェードなどを使ったほうがいいのでしょうか?
皮膚へのダメージなどそのマイナス面が知られる紫外線ですが、赤ちゃんの健康と成長に欠かせない面も併せ持っています。
今回は夏のお出かけに必要な紫外線対策について
紫外線の肌への影響
まずは紫外線の肌への影響について見ていきましょう。
紫外線は我々にとって良い側面と悪い側面の両面があります。
紫外線の良い点
まず良い側面としては紫外線によってビタミンDが生成されることが挙げられます。
ビタミンDは成長期の赤ちゃんにとってしっかりとした骨を作るためにとても大切な栄養素です。
不足するとビタミンD欠乏症になって歩き始めの頃に足の骨などが曲がりやすくなります。
ビタミンDはキノコ類や魚の脂身などの食べ物からも摂取する事が可能ですが、全てのビタミンDを食べ物から摂るのは難しく、多くの日本人の場合、1日のビタミンDの必要量の約50%は紫外線による生合成によって賄われています。
特に母乳のみで育つ赤ちゃんにとってはビタミンDの供給はママからの母乳に頼ることになります。
ママ自体がビタミンD不足の場合はもちろんですが、ママが不足していなくても母乳のみからビタミンDを全て得ることは難しいといえます。
紫外線の悪い点
悪い側面としては、紫外線の肌にたいする様々な害が挙げられます。
紫外線は肌の免疫力を抑制してしまい、シミやシワ、癌などの原因になります。
さらに、紫外線は一度にたくさん浴びるとやけどなどの急性傷害も引き起こしますし、少量であっても長い期間浴び続けることによって光老化などの慢性傷害を引き起こすことがわかっています。
ですから、紫外線はビタミンDの合成ために最小限は浴びる必要はあっても、できるだけ余計な量は浴びないようにする工夫が必要になります。
余分な紫外線を浴びずに、必要な紫外線を浴びるには?
では、紫外線を必要十分なだけ浴びるためにはどうしたらいいのでしょうか?
1 もっとも紫外線の強い時期と時間帯を把握しておく
環境省のデータによると、われわれは一年のうちでは6月から9月に1年間の70から80バーセントの紫外線を浴びます。
そしてその期間の1日のうちでは午前10時から午後2時の間に1日の60パーセントの紫外線を浴びるそうです。
つまり、6月から9月の10時から14時の紫外線は他の時期や時間と比べて格段に紫外線が強いということになります。
この時期のこの時間帯は赤ちゃんはもちろん大人もできるだけ屋外での活動を控えるか、しっかりとした紫外線対策をする必要があるということになります。
特に肌の弱い赤ちゃんの場合には9時から15時までの外出には注意が必要になります。
2 できるだけ紫外線の弱い時間帯に移動や屋外活動をする
お散歩や保育園などへの移動など屋外での活動はできるだけ紫外線の弱い朝や夕方の時間を使って行うほうがいいでしょう。
その場合にも薄い長袖などを着せたり、日傘やベビーカーの幌や帽子などを使って不要な紫外線を赤ちゃんが浴びないようにしましょう。
日傘などで日陰を作っていてもカットできる紫外線の50%は浴びることができますし、夏の太陽光の場合、両方の手の甲程度の面積に15分くらい太陽を浴びるだけで十分なビタミンDが生成されます。
この時間帯にしっかりとした日よけをして、短時間の外出をする場合には日焼け止めなどを塗らずに出かけることができます。
3 紫外線の強い時間帯に出かける場合
そうはいっても様々な事情で夏の正午頃にお出かけしないとならないこともあります。
そのような場合には赤ちゃんにも日焼け止めなどをしっかりと塗ってあげてできるだけ屋外にいる時間が短くなるようにお出かけしてください。
赤ちゃんの肌に優しい日焼け止めの選び方
SPFとPP
日焼け止めにはSPFとPAという2つの数値が書かれています。
この2つはそれぞれ紫外線の種類による防御効果によって分かれています。
SPFはUV-Bを防御する効果の高さを表す数値で、数値が大きいほど効果が高く、PPはUV-Bを防御する効果を表していて+の数が多いほどその効果が高くなっています。
ただし、SPFもPPも数値が大きくなるほど肌への負担も大きくなります。
一日中屋外で太陽を浴びたり、海や山などの紫外線の強い場所に行くのでない限り、SPFもPPもそれほど高い数値のものは必要ありません。
短時間日よけを併用して屋外に出る程度の赤ちゃんの場合にはSPFでは10~15、PPも+程度で十分です。
短時間の外出では一度ぬれば十分ですし、少し長くなるなら2度、3度と塗り直してあげましょう。
紫外線反射剤と紫外線吸収剤
日焼け止めにはの紫外線を防御する成分には紫外線反射剤と、紫外線吸収剤の2つがあります。
このうち紫外線反射剤は肌への負担が少なく安全性の高いのが特徴です。
その反面、紫外線反射剤のみ日焼け止めでは白浮きしやすいなどのデメリットがあります。
一方紫外線吸収剤を使っているものは塗り心地や透明感などがすぐれている反面、肌への刺激が強くなっています。
肌の弱い赤ちゃんの場合にはできるだけ紫外線反射剤を使っている日焼け止めが適しています。
その他の成分にも気をつけよう
赤ちゃんの肌に使う物はできるだけ安全性の高い成分の物を使いたいものです。
赤ちゃんの日焼け止めを選ぶ際には商品の主成分だけではなく、成分全てを確認してできるだけ天然の成分や安全性が確認されている成分のみで作られている日焼け止めを選ぶようにしましょう。
まとめ
夏のお出かけには紫外線対策は欠かせません。
しかし、母乳で育つ赤ちゃんにとって、全く日光浴をしないというのもビタミンD欠乏症などの危険性があります。
ですが、余計な紫外線は肌に大きなダメージを与えるので出来るだけ避けたいものです。
夏の紫外線対策は出かける時間と長さ、そして日よけや日焼け止めを上手に使っていきましょう。
参考