生後2ヶ月頃の赤ちゃんの頭の形が気になってきたら、どうしたらいいでしょうか?
首の座る前の赤ちゃんは自分で体や頭を自由に動かすことがあまりできないので、どうしても同じ姿勢で寝ていることが多くなります。
でも同じ姿勢や向きのままで寝ていると頭の形が平らになってしまいます。
そのまま成長すると頭の形はどうなってしまうのでしょうか?ずっとこのままなのでしょうか?
今回は首すわり前の赤ちゃんの頭の形を綺麗に保つためにどうすればいいのか?赤ちゃんの向き癖の原因と防止方法について考えていきたいと思います。
向き癖の原因
大人の場合、毎日同じ向きで寝ていたとしても頭の形は変わりません。
なのに赤ちゃんはなぜ簡単に頭が変形してしまうのでしょうか?
その理由をご説明します。
1. 頭の骨(骨と骨の間)が柔らかい
人間の頭の骨は一枚ではなく、複数の骨が繋がって出来ています。
大人の場合はこれらの骨同士が固く繋がっているので、骨が一枚のようになっており、頭が変形することはありません。
しかし、赤ちゃんの場合には頭の複数の骨同士がまだ固く結合していません。
これは生まれるときに赤ちゃんの大きな頭が狭い産道を通り抜けるためと、生後赤ちゃんの脳が急激に発達して大きくなっていくのに対応するためです。
そのために、赤ちゃんの頭は柔らかく、外から圧力がかかると変形しやすいのです。
2. 自分で動くことができない
首が座るまでの赤ちゃんは自分で体を自由に動かすことができません。
そのため一度、寝ると誰かが動かすまでずっとそのままの姿勢で寝ていることになります。
同じ姿勢で寝続けてしまうと頭の一部分だけに重さがかかってしまうので形が歪んでしまいます。
3 . 乳幼児突然死症候群を防ぐ為
乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防する為に赤ちゃんはできるだけ仰向けに寝かせるほうが良いとされています。
そのため、赤ちゃんは仰向けで寝る時間が多くなります。
仰向け以外の姿勢で寝せる時には事故などを防ぐ為にできる限り目を離さないようにしなければいけません。
しかし、常に目を離さない様にするのはなかなか難しいです。
そのため、うつ伏せによる突然死などのリスクを考えるとどうしても仰向けで寝かせて、後頭部が下になる姿勢が多くなりがちです。
4 赤ちゃんが同じ方を見続けてしまう
赤ちゃんを寝かせている場所がいつも同じ場合、赤ちゃんは好きなものや気になるものに対して同じ方向を見続けてしまうことになります。
それは窓であったり、ママの方向やベッドメリーなどのお気に入りのおもちゃだったりします。
そのように、右や左のどちらか一方を向く時間が長くなると頭の向き癖が付きやすくなります。
向き癖は自然と治る
首が座る前はほとんど寝て過ごす赤ちゃんですが、成長するにつれて寝返りを打ったり、うつ伏せやお座りなどをするようになって、頭の一部にかかっていた重さが分散するようになってくると、向き癖も自然と改善していきます。
よほど強い向き癖でなければ生後1年から2年でほとんど向き癖は目立たなくなっていきます。
また向き癖による頭の形の歪みは脳の発達などへの悪影響などはありません。
向き癖を防止する方法
そのほとんどが自然に直る向き癖ですが、少し工夫をするだけで月齢の低い時期でも頭の形を歪ませないようにすることができます。
1. 体の向きを変える
日中赤ちゃんが起きている時にはできるだけ横向きやうつ伏せなどの仰向け以外の体の向きにしてあげましょう。
生後2ヶ月になったら短時間のうつ伏せは可能です。
ただし、うつ伏せにする時には必ず目を離さない様にし、そのまま眠らせたりしないようにしましょう。
向き癖と反対側を向かせるためには背中にタオルなどを丸めて支えてあげると反対向きになります。
タオルよりもしっかりと支えられる向き癖防止クッションなどを使ってもいいと思います。
横向きを安全にするにはこんなクッションも。
ベビーベッドなどに寝かせている場合には時々ベッドへの寝かせかたを上下反対にします。
頭と足の位置が変わると今まで右にあったものが左にくるので反対を向きやすくなります。
2. 枕を使う
頭の形を良くする為にはドーナツ枕が有名ですが、その他にも様々な素材や形の枕があります。
これらの枕をうまく使って寝かせることで向き癖を防止できます。
向き癖ではない頭の変形
頭の変形には向き癖ではない病気や先天的な異常を原因としたものがまれにあります。
首に異常があって頭が傾いてしまう「斜頚」や頭の骨に先天的な異常がある「頭蓋縫合早期癒合症」などは治療が必要になります。
もし、何かしら心配があったり異常を感じたら一度専門医に相談してみましょう。
まとめ
赤ちゃんの頭の骨は大人と違ってまだ固まっていないので、同じ姿勢、同じ方向を向いて寝ていると頭の一部に重さがかかって変形してしまいます。
しかし、単なる向き癖の場合には、脳の発育などへの影響はありませんし、成長するにつれてほとんど目立たないくらいに直ります。
それでもできるだけ向き癖を防止したい場合には、体の向きをまめに変えてあげたり、向き癖を防ぐクッションや枕などを使ってあげることで向き癖を防ぐことができます。
ただし、頭の形で心配なことがあれば、一度専門の医師へ相談してみましょう。