石鹸か合成洗剤か?赤ちゃんの繊細なお肌に触れる衣類につかう洗濯洗剤はどっち?

洗剤

赤ちゃんの肌は繊細で敏感

赤ちゃんのお肌はとっても敏感です。

皮膚の厚さは大人の約半分しかありません。

とても繊細で敏感な赤ちゃんの肌に直接触れる衣類はもちろんの事、その衣類を洗う洗剤にも十分に気をつけたいですね。

今回はそんな赤ちゃんの衣類を洗う、洗剤について考えていきたいと思います。

赤ちゃんの衣類は新品のまま使わない

市販されている新品の衣類には糊がつかわれていることがあります。

そこで、新品の衣類をまずは「水通し」をして糊を落とします。

水だけで洗濯をしますが、普通に洗剤を使って洗濯をしてもかまいません。

通常の洗濯

糊が衣類に残っているだけでも心配なのですから、通常の洗濯でも衣類への洗剤の残留などにも気をつけたいところです。

また、大人の衣類とは別に洗うといった考えもありますが、よほど汚れがひどい場合を除いてはそこまで気にすることはありません。

それよりも洗濯洗剤を何にするかということに気を使いましょう。

石鹸と合成洗剤の違い

洗濯洗剤は主に、石鹸と合成洗剤の2つにわけられます。

石鹸と合成洗剤は一体何が違うのでしょうか?

そして、赤ちゃんの衣類の洗濯には石鹸と合成洗剤のどちらを使うのがベストなのでしょうか?

 石鹸

石鹸には3000年以上の歴史があるとされています。とても古くから使われている化学物質の1つです。

それはつまり、長い歴史に安全性が裏打ちされているものであると言えます。

そしてこの長い歴史の中で石鹸による重大な健康被害というのは指摘されていません。

もちろん、石鹸は弱アルカリ性の物質ですから、肌や粘膜への刺激は比較的強く、肌への優しさが最も優れた洗剤というわけではありません。

目に石鹸が入ってしまったときなどにとても痛いのはアルカリによる刺激です。

しかし石鹸は、肌についたまま、残留してしまっても皮膚に対する毒性が残ることは無いこともわかっています。

合成洗剤に使われている界面活性剤の中には皮膚に残留すると毒性が継続してしまうものもあります。

 合成洗剤

合成洗剤の歴史は浅く、まだ100年ほどです。日本で合成洗剤が使われるようになってからは50年ほどしか経っていません。

初期の合成洗剤に使われた界面活性剤には後から毒性などが判明して、その後使われなくなったものもあります。

合成洗剤は近年つぎつぎと新しいタイプのものが開発されており、性能や安全性において、石鹸よりも優れたものもたくさん作られています。

つまり、理論的には石鹸よりも安全で洗浄力も強い合成洗剤が次々に誕生しているわけです。

とはいえ、化学物質の安全性の確認には長い時間が必要です。

理論上は安全とされていても、作られてからまだ数年から数十年しか経っていない合成洗剤の中には後から安全ではないと判明するものも出てくるかもしれません。

 柔軟剤について

洗濯後のゴワゴワした衣類で赤ちゃんの繊細なお肌を傷つけるのは避けたいものです。

ですが、そのために柔軟剤を使用するのは少し考えた方がいいかもしれません。

洗剤の場合、安全性の低い界面活性剤が使われていたとしても、しっかりすすげば残留することはほとんどありません。

しかし、柔軟剤の場合、界面活性剤が衣類に残留する量が多いので、赤ちゃんのお肌にトラブルを起こす可能性があります。

ですので、できれば赤ちゃんの衣類には柔軟剤は使わない方がいいかもしれません。

柔軟剤を使わなくとも、石鹸を正しく使うとふんわりした仕上がりにすることができます。

赤ちゃんの衣類には安心なものを使いたい

石鹸は必ずしも合成洗剤よりも肌への優しさや安全性で優れているというわけではありません。

しかし、石鹸はその安全性が証明されている洗剤です。

大人と違って肌がまだ薄く敏感な赤ちゃんには、なによりも安全性を重視して洗剤を選ぶ必要があります。

石鹸には使い方にコツがある

ただし、石鹸には使い方に少々クセがあります。

合成洗剤はどのような条件であっても簡単に使えるように作られているものがほとんどですが、石鹸は使う条件や使い方によって洗浄力や仕上がりが全く違ってしまいます。

使い方を間違うと、ゴワつき、ベタつき、黄ばみ、ニオイ、カビなどが発生する原因になってしまいます。

石鹸を使う際に注意すること

石鹸を使うときには注意したいことが2つあります。

.水は軟水を使うこと

日本の水はほとんどの地域で軟水なのであまり水を気にする必要はありませんが、一部の地域では硬水が使われていることがあります。

硬度の高い水では石鹸の泡が立たず、洗浄力が十分に発揮できません。

石鹸で硬水を使う場合には、「軟水器」や「炭酸塩」などのアルカリ剤を使って水を軟化させてから使いましょう。

.洗濯時にはアルカリ助剤を併用すること

洗濯石鹸には主に粉のタイプと液体のタイプがあります。

粉のタイプにはあらかじめアルカリ助剤が添加されているものが多いのでそのまま使えばいいのですが、液体タイプには無添加のものが多く、そのままでは洗浄力が十分に発揮できないことがあります。

洗濯は洗剤を水で薄めた上に、酸性の汚れがついた洗濯物を洗うのでアルカリが中和されてしまいます。

中和されてアルカリ度が下がると洗浄力が落ち、石鹸カスが衣類に付着する原因になります。

石鹸カスが衣類に残るとゴワつき、ベタつき、黄ばみ、ニオイ、カビなどの原因となります。

それを防ぐためには、洗剤とともに炭酸塩(炭酸ソーダ)などのアルカリ助剤を併用します。

アルカリ助剤によって洗濯中のアルカリ度を保って、洗浄力が落ちないようにします。

アルカリ助剤は肌への刺激が強いので直接触ってはいけませんが、洗濯後には中和されて無害になります。

心配な場合にはすすぎ時ににクエン酸などで中和させることもできます。

石鹸洗剤での洗濯にはこれら2つのことに注意して使うことが必要です。

まとめ

合成洗剤は現在も進化を続けており、理論的には石鹸よりも安全で、洗浄力も強く、毒性もほとんど無いといったものも数多くあります。

ですから、そのようなタイプの洗剤を上手く使うのも良いでしょう。

直接体につかうボディソープやシャンプーなどでは石鹸では刺激が強すぎるといった人も多くいます。そのような場合には石鹸よりも低刺激な合成洗剤を様子をみながら使うのも方法の1つです。

しかし、化学物質の安全性は長い時間をかけて確認する必要があります。

赤ちゃんの肌に直接ふれることのない洗濯洗剤では性能が高い合成洗剤よりは、安全であることが保証された石鹸を使う方がいいかもしれません。

石鹸は使い方が少々難しいのですが、大切な赤ちゃんの衣類のために一度使ってみてはいかがでしょうか?