妊活中であっても仕事など何らかの理由から飲酒はどうしても避けられないと言った場合、どうしたらいいのでしょうか?
妊娠中の飲酒が胎児へ悪影響を与えることは知られていますが、妊娠前の女性で妊活中の場合には飲酒はどの程度、妊娠後に影響を与えるのでしょうか?
もしも、妊娠前の飲酒が妊娠後の胎児に悪影響を与えるのであればすぐに飲酒をやめなければいけません。
今回は妊活中の飲酒がどれほど妊娠後の胎児へ影響するのかを考えてみたいと思います。
飲酒が胎児へ与える影響
飲酒による胎児への影響としてもっとも避けたいのが胎児性アルコール症候群です。
胎児性アルコール症候群では低体重や奇形、脳障害などの様々な胎児への悪影響があることがわかっています。
妊娠中の女性がアルコールを一度に大量に飲むほど胎児が胎児性アルコール症候群になる可能性が高くなり、少量のアルコールではほとんど影響は見られないと言われています。
しかし、影響が出るアルコールの量については具体的にわかっていないので、妊娠中の女性ではたとえ少量であってもアルコールは控えるほうが賢明です。
日本産婦人科医会のレポートでは1日あたり15ml以下のアルコール(ワイングラス1杯)では胎児への影響は少ないとしていますが、妊娠中の飲酒について安全量は確立されておらず、少ない量の飲酒でも胎児への影響がある可能性があると勧告されています。
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/insyu.htm
英国産婦人科学会の報告では少量のアルコール飲酒での胎児への影響は特に見られなかったということです。
しかし、アルコールの胎児への影響についてはさらに調査が必要であるので、現時点では安全性の観点から妊娠の可能性のある女性の飲酒は控えた法が良いとのことです。
https://obgyn.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/1471-0528.12246
全米疾病管理センター(CDC)では妊娠の可能性のある女性すべてが胎児へのアルコールによる悪影響を排除するために飲酒をやめるように勧めています。
https://www.cdc.gov/media/releases/2016/p0202-alcohol-exposed-pregnancy.html
妊娠の可能性が出てきたら、ただちに飲酒をやめる
もし、なんらかの理由で妊活中でも飲酒が避けられないのであれば、妊活中はいつ妊娠しても良いように、胎児に影響がない程度の量まで飲酒を減らしておくようにし、生理が遅れるなど妊娠の可能性がある場合には直ちに飲酒をやめるといった対策が必要かもしれません。
妊活中のアルコールは飲み方や量が問題
妊娠中のアルコールはたとえ少量であっても胎児への悪影響が考えられる以上、避ける法が賢明です。
妊活中に関しては過度の飲酒を除いて、それほど過敏に心配する必要はないようです。
しかし、妊活中であっても禁酒ができるならばしたほうがいいと思います。
でももし何らかの理由ですぐに飲酒をやめられないのであれば、1日のアルコール摂取量を15mlまでにしましょう。
これはワインならグラス1杯、ビールなら350ml缶1本です。
また、生理がこないなど、妊娠した可能性が考えられる場合にはできれば飲酒をしないようにしましょう。
飲酒は習慣性になりやすいので、突然の妊娠で禁酒をするとストレスになることも考えられます。
妊娠中はストレスも良くありませんので、突然の断酒によるストレスを抱えないように、できるだけ妊活中からお酒から離れるようにしたほうがいいかもしれません。
また妊活中は女性だけではなく男性も精子への悪影響があるそうなので、妊活中は男性も過度の飲酒は避けるようにしましょう。