妊活中は赤ちゃんを迎えるための大切な準備期間です。
妊活中にはママの体を良い状態に保つ為、バランスのとれた栄養価の高い食事をすることが大切ですが、その中でも葉酸は妊娠を目前にした女性にとって特に大切な栄養素です。
今回は妊活中の女性にとって特に重要な栄養素である葉酸がたくさん含まれている食品について考えていきたいと思います。
妊活中の女性に最も必要な栄養素・葉酸
妊活中の女性にとって最も重要な栄養素が葉酸です。
その理由は葉酸が妊娠初期の数週間で胎児が最も必要とする栄養素だからです。
妊娠初期の数週間で胎児の神経管が形成されますが、この時必要とされるのが葉酸です。
妊娠初期の数週間はまだ妊娠に気づかずにいる可能性が高く、妊娠がわかった時点で葉酸をとり始めてもすでに遅い可能性があるのです。
妊娠初期に葉酸が不足すると神経管閉鎖障害といって胎児の脳や神経に障害をもたらす可能性があります。
ですから葉酸は妊活中であればいつ妊娠しても良いように常に意識して取り入れる必要のある栄養素です。
1日に必要な葉酸の量
妊娠初期の女性が1日に必要な葉酸の量は480μgです。これは普通の成人が必要とする240μgの2倍になります。
葉酸は普通の成人では普段の食事で不足するこはあまりありませんが、妊婦の場合には通常の2倍の量が必要になるので食事だけでは不足する可能性があります。
食品から摂ることができる天然葉酸は50%程度の吸収率といわれていますので、すべてを食品から摂るとすると960μgの葉酸を摂取する必要があります。
葉酸には食品中の天然葉酸以外にもサプリメントなどの合成葉酸があります。
合成葉酸の場合には吸収率が85%になります。
厚生労働省では妊娠初期の女性は通常の食事からの葉酸摂取に加えて、サプリメントなどで合成葉酸を400μg摂取することを勧めています。
つまり、食品から280μg以上摂取して、残りをサプリメントで400μg摂取すれば良いということになります。
同時に葉酸の上限値は1日1000mgとなっています。
サプリメントを使用量よりも多く服用すると上限値を超えてしまうこともあるので必ず使用量を守って服用しましょう。
葉酸の過剰摂取による副作用としてはビタミンB12欠乏症の診断が困難になるということがあります。
葉酸の多く含まれる食品
肉類
肉類ではレバーの部分に葉酸は多く含まれます。
中でも鳥、牛、豚のレバーにはたくさんの葉酸が含まれています。
しかし、レバーにはビタミンA(レチノール)も大量に含まれています。
ビタミンAは脂溶性で体に蓄積されやすいので、過剰症になりやすくなります。
妊娠時のビタミンAの過剰摂取は赤ちゃんの先天異常が起きることが知られています。
ビタミンAの過剰摂取や上手な摂り方についてはこちらの記事をどうぞ
そのため、妊活中や妊娠中の女性はレバーなどのレチノールが多く含まれる内臓類についてはくれぐれも食べすぎないよう注意が必要です。
葉酸の多いレバーですが、妊娠中は別の食品から葉酸を摂取する方が安全です。
100g中の葉酸 | ||
鳥レバー | 1300μg | 焼き鳥串1本(30g)で約390μg |
牛レバー | 1000μg | |
豚レバー | 810μg |
海藻類
海藻類も葉酸が多く、中でも海苔は群を抜いて多くの葉酸が含まれています。
海藻類ではヨウ素が多く含まれておりこちらも過剰摂取はよくありません。
ただし、海苔のヨウ素はそれほど多くはないので比較的安心して食べられます。
焼き海苔1枚あたり(約3g)の重さでは葉酸の含有量は約58μgになります。
焼き海苔1枚程度であればおにぎりなどで簡単にとれるのでおすすめです。
板わかめや素干しわかめは比較的葉酸が多く含まれていますが、カットわかめの場合には18μgとグッと少なくなりますので注意が必要です。
このちがいは製造工程によるもので、カットわかめは水洗いを何度も行い異物を取り除くため、水溶性の葉酸は溶け出てしまうと考えられます。
100g中の葉酸 | ||
焼き海苔 | 1900μg | 一枚で約58μg |
味付け海苔 | 1600μg | |
板わかめ | 510μg |
豆類
豆類では大豆の葉酸含有量が多くなっています。
しかし、大豆は煮ると水溶性の葉酸が流れてしまい含有量が41μgまで下がります。
乾燥大豆を蒸したり、炒ったりすることで葉酸がさほど減らずに摂取できます。
ちなみに、きな粉は焙煎、納豆は蒸しているので葉酸が多く含まれています。
大豆製品には大豆イソフラボンが多く含まれています。
妊娠中は大豆イソフラボンの過剰摂取はよくありませんので、大豆製品の摂りすぎには注意しましょう。
100g中の葉酸 | ||
大豆(乾燥) | 260μg | |
きな粉 | 220μg | きな粉大さじ1杯8gで17μg |
納豆 | 120μg | 1パック50gで60μg |
野菜類
葉酸はもともとほうれん草から発見され、葉酸と名付けられました。
野菜類にはどれも多く含まれますが、特に豆類や葉野菜の葉酸含有量が多くなっています。
生では葉酸の含有量が多い野菜ですが、茹でたり炒めたりすることで葉酸が半分程度まで減ってしまいます。
しかし、妊婦の野菜の生食はトキソプラズマなどの感染症予防からあまりオススメできないため、薬味野菜以外は調理加熱した後の含有量です。
100g中の葉酸 | |
枝豆(ゆで) | 260μg |
あさつき(生) | 210μg |
ほうれん草(ゆで) | 110μg |
芽キャベツ(ゆで) | 220μg |
パセリ(生) | 220μg |
なばな(ゆで) | 240μg |
切り干し大根 | 210μg |
アスパラガス(ゆで) | 180μg |
穀類・木の実類
穀類ではアマランサスと小麦胚芽に葉酸が多く含まれています。
アマランサスはご飯に混ぜたりして食べられるので比較的継続して摂りやすい食品です。
小麦胚芽はパンやクッキー、シリアルなどで食べるのもオススメですが、アレルギーのある方は注意が必要です。
100g中の葉酸 | |
アマランサス | 130μg |
小麦胚芽 | 390μg |
ゴマ | 150μg |
キノコ類
キノコの中では干し椎茸がとてもたくさんの葉酸を含んでいます。
キノコは生よりも干した方が全体的に栄養素が増えるのですが、干し椎茸の葉酸は生しいたけよりも5倍以上葉酸の含有量が高くなっています。
100g中の葉酸 | |
干し椎茸 | 240μg |
魚介類
魚介類ではうなぎの肝に葉酸がたくさん含まれています。
しかし、うに、うなぎ肝、たたみいわし、すじこなどはどれも大量に食べるものではないので実際に食べた場合の葉酸量は1/10程度かもしれません。
また、ウニとすじこは生食が多い食べ方だと思いますが、妊婦にはオススメできないので加熱調理して食べましょう。
100g中の葉酸 | |
うに | 360μg |
うなぎ肝 | 380μg |
たたみいわし | 300μg |
すじこ | 160μg |
葉酸の多い食材を使った簡単料理
1.納豆巻き (2人分)
納豆と焼き海苔はどちらも葉酸の多さで際立っています。
コンビニでも買えるので忙しい時の食事にピッタリです。
材料
焼き海苔 2枚
酢飯 1合
あさつき 1/2本
納豆 1パック
作り方
1・焼き海苔を半分に切って酢飯を薄く広げるように伸ばします。
2・その上にあさつきを混ぜた納豆を乗せて巻きすでしっかりと巻いていきます。
3・形を整えて食べやすい大きさに切ったら完成です。
2.ほうれん草の胡麻和え (2人分)
ほうれん草とゴマの組み合わせは葉酸を効率良く摂りたい女性にピッタリです。
材料
ほうれん草 1束
塩 大さじ1
すりごま 大さじ2
醤油 大さじ1/2
砂糖 小さじ1/2
作り方
1・よく洗ったほうれん草を塩の入った熱湯でサッと茹でます。
2・茹で上がったほうれん草は冷水にとって水気をしぼります。
3・食べやすい大きさに切り分けてさらに水気をしぼります。
4・すりごま、醤油、砂糖を混ぜた和え衣をボウルの中でほうれん草と混ぜ合わせます。
6・器に盛り付けて完成です。
妊活中の葉酸摂取はサプリメントも活用して
妊活中はいつ妊娠してもいいように常に母体の栄養や体調を管理しておかなければいけません。
妊活中の葉酸は通常の2倍の量が必要なので、食事からだけでなくサプリメントも上手に活用して補給しましょう。
しかし、サプリメントだけではやはり足りませんから、葉酸の量を意識した食材や料理を積極的に摂ることも大切です。
葉酸サプリは便利ですが、使用量以上に摂取してしまうと上限値の1000mgを超えてしまうことがあります。
葉酸補給は食事と使用量を守ったサプリ補給で行うことが大切です。