生後7ヶ月から8ヶ月頃の赤ちゃんはそろそろハイハイをしはじめます。
しかし、中にはハイハイをせずにいきなりつかまり立ちからつたい歩きに移行してしまう赤ちゃんもいます。
このようにハイハイを飛ばしてしまうことは赤ちゃんにとって何か問題はないのでしょうか?
そこで今回はハイハイが赤ちゃんの成長にとってどんな役割があるのか?
また、ハイハイを赤ちゃんに促すためのさまざまな方法などについてわかりやすく解説していきます。
ハイハイはいつから始めるの?
生後4~5ヶ月になると殆どの赤ちゃんは首がすわり、6ヶ月前後になると寝返りが打てるようになります。
そのあと、ハイハイは生後7~8ヶ月頃に始まることが多いようです。
まず、腹ばいの状態からおなかを床につけたまま前に進むズリバイからはじまり、徐々に腰を浮かしたハイハイや膝を立てた高バイをするようになります。
その後、つかまり立ちからつたい歩き、一人歩きに移行していきます。
ハイハイはしなくても大丈夫?
赤ちゃんの中にはハイハイをせずにお座りから、つかまり立ち、つたい歩きへと進む赤ちゃんもいます。
しかし、ハイハイは赤ちゃんの成長にとってプラスの役割を持っているので、できれば飛ばすことなく十分にハイハイをさせてあげてほしいと思います。
では、ハイハイは赤ちゃんの成長にとってどのような役割をもっているのでしょうか?
ハイハイの赤ちゃんの成長に与える大切な役割とは
身体への役割
まず、ハイハイによって体を支えるための腕や肩の筋肉が強くなります。
腕の力をつけることは一人歩きを始めてから転んだ時などにとっさに手をだして頭や体を守る為に必要になります。
他にもハイハイは背中やお腹などの体幹の筋肉も強くしてくれたり、頭を支えるためのバランス感覚も発達させます。
体幹の筋肉やバランス感覚が鍛えられることで、立った後の姿勢を正しく維持したり転びにくくなったりします。
脳への影響
さらに、ハイハイをすることは身体的なメリットだけではなく脳の発育にもとても重要な役割を持っています。
ハイハイは手と足の動きを別々にコントロールしながら動かす必要があります。
また、ハイハイをするためには移動しながら様々な物との距離を目で見て判断する必要もあります。
これらのことをするにはとても高度な脳の働きが必要で、赤ちゃんの脳に大変良い刺激を与えてくれます。
赤ちゃんにハイハイを促す工夫
ほとんどの赤ちゃんは自然にハイハイをするようになりますが、ハイハイ前からその準備をしておけばよりスムーズにハイハイを始めることができます。
ここでは、赤ちゃんがハイハイを始める前の準備や促し方についてご紹介します。
うつ伏せで遊ぶ時間を増やす
首が座った後からはうつ伏せで遊ぶ時間を少し増やしてみましょう。
うつ伏せによってハイハイに必要な背中や首の筋肉を強くすることができます。
うつ伏せの練習では「そのままうつ伏せ」「ママやパパのお腹の上でうつ伏せ」「赤ちゃんの胸の下にクッションや丸めたタオルなどを入れてうつ伏せ」などのバリエーションを取り入れると赤ちゃんも楽しくうつ伏せの練習ができます。
このような赤ちゃんのうつ伏せ練習に使えるクッションもあります。
うつ伏せにする場合には赤ちゃんから目を離さず、嫌がったらすぐに起こしてあげましょう。
おもちゃを少し離れたところに置いてみる
手に届くところから少し離れた場所にあるおもちゃで赤ちゃんにハイハイを促しましょう。
ハイハイを促す「動くおもちゃ」などを使ってもいいですね。
ハイハイできるスペースを確保する
部屋の中の殆どのスペースを家具が占めていると赤ちゃんはすぐに近くの家具などをつかんで、つかまり立ちを始めてしまうことがあります。
赤ちゃんがハイハイをしている間は可能な限り、ハイハイをしやすいスペースを確保してあげてください。
ハイハイのお手本をみせる
ママやパパが赤ちゃんのそばでハイハイをして見せたり、児童館などで他の子がハイハイをしている様子を見せると、それを真似してハイハイをしはじめることがあります。
ハイハイを飛ばしてしまった子には遊びで取り入れよう
中にはハイハイをせずにつかまり立ちへと移行してしまう子もいます。
ただ、その場合も決してハイハイができないということではなく、単にしたくないからしないということも多いようです。
もしもハイハイをせずにつかまり立ちを始めてしまった時には、あえて遊びの中でハイハイを取り入れる工夫をしてみましょう。
トンネル遊具などは遊びの中にハイハイを取り入れるのに最適です。
市販のものでもいいですし、段ボールなどで自作してもいいです。
いくつかのトンネルをつなげてあげると、さらに楽しく遊べます。
ハイハイを安全に行う為の部屋作り
ハイハイをし始めると赤ちゃんの行動範囲は一気に広がります。
赤ちゃんの行動範囲が広がると、様々な危険にさらされる可能性も広がります。
部屋の中の赤ちゃんにとって危険な物などをチェックして事前に対策をしておきましょう。
床を綺麗に掃除して、誤飲しそうなものを片付ける
床に赤ちゃんの口に入りそうな小さなものが落ちていたりすると誤飲する危険があります。
ベビーゲートなどで危険な場所に近づかないようにする
キッチンや階段、ベランダ、ストーブ、電気製品など赤ちゃんが近づくと危険な物は片付けたり、ベビーゲートなどで近づけないようにしましょう。食器棚や本棚などにも注意しましょう。
コンセントには感電防止のため、コンセントカバーをつける
延長コードは赤ちゃんの首に巻きつくと危険なのでできれば使わないようにしましょう。
・硬い床にはクッションフロアなどを敷いて転んでも怪我をしないようにしておく
・家具の角などにはコーナーガードをつけてぶつけても怪我をしないようにしておく
・テーブルの上などにポットなどの物を放置しない
何かの拍子にテーブルの上から物が落ちて赤ちゃんに当たって怪我をする可能性があります。
特にポットなどはお湯が入っていて危険です。
どうしてもハイハイをしない赤ちゃんにはどうしたらいい?
厚生労働省の調査によるとハイハイは生後9ヶ月~10ヶ月未満の乳児に90%以上、生後11~12ヶ月未満の乳児の95%以上ができるとされています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf(厚生労働省HP)
もし、生後1年を過ぎてもハイハイができない場合には一度小児科に相談してみましょう。
ただし、中にはシャフリングベビーといって、どうしてもハイハイをしたがらない赤ちゃんもいます。
シャフリングベビーの場合にはハイハイができないのではなく、したがらないだけのことが多いようです。
しかし、シャフリングベビー見えても、稀に発達の異常が隠れていることもあるようなのでやはり一度小児科に相談したほうがいいでしょう。
http://www.osk-pa.or.jp/child-care/cc5/03-6month/20060901305.html (一般社団法人大阪小児科医会HP)
まとめ
ハイハイは赤ちゃんの成長にとってとても重要な役割をもっています。
ハイハイによって体幹や腕の筋肉がつき、バランス感覚も育つので一人歩きを始めた後に転びにくく、転んでも受け身が取れるようになります。
また、ハイハイは体だけではなく赤ちゃんの脳の発育にも良い影響を与えてくれます。
ハイハイはほとんどの赤ちゃんが自然に行うようになりますが、中にはハイハイをしない赤ちゃんもいるので、寝返りができる頃になったら、ハイハイの準備や練習をするのもいいでしょう。
ハイハイを飛ばしてしまった赤ちゃんにもハイハイを取り入れた遊びをしてみましょう。
赤ちゃんがハイハイをし始めたら、部屋の中の危険なものをチェックして事前に対策をしておきましょう。
もし生後12ヶ月を過ぎてもハイハイができない時には、一度小児科で相談をしてみましょう。