妊婦さんのつらい夜中のこむら返りの原因と予防法

こむら返り画像

毎晩毎晩、こむら返りのために夜中に目が覚めてしまうのをなんとかしたい。
妊娠後期の妊婦さんの約半数近くが夜寝ているときのこむら返りに悩んでいると言われています。
就寝中に足がつってしまうのは、その痛みだけでなく、睡眠が中断されて寝不足になってしまうという辛さもありますよね。
今回は妊婦さんにこむら返りが起きる原因と予防、そしてこむら返りが起きてしまった場合の対処法について考えていきたいと思います。

こむら返りの原因

こむら返りはふくらはぎの筋肉の異常収縮によって引き起こされる痙攣です。
ではなぜそのような異常収縮が起きてしまうのでしょうか。
実はその明確な原因はわかっていないようです。
しかし、こむら返りの原因として一般的にいわれているのが、
・筋肉の疲労
・冷え
・ミネラル不足
・水分の不足
です。

筋肉の疲労

妊婦さんは妊娠後期になると急激に体重も増加します。その時の体重の増加は腹部に集中しますので体の重心やバランスが妊娠前と比べて大きく変わります。その急激な変化に足の筋肉が疲労を起こしやすくなります。
また、妊娠後期は体が重くなるので動くのが面倒になりがちで、運動不足になりやすいのも筋肉の疲労を招く原因となります。

冷え

妊娠後期では子宮が大きくなるにつれて、下半身の血流が悪くなりやすく、それが原因で下肢の冷えがおきます。
そして、足が冷えると筋肉が硬くなります。
特に足先に近いふくらはぎなどは冷えやすく筋肉がこわばりやすい部位です。
その結果として、こむら返りが起こりやすくなると考えられます。

ミネラルの不足

筋肉をスムーズに動かすにはマグネシウムやナトリウム、カルシウム、カリウムなどのミネラルは欠かせません。
妊娠中は母体だけでなく赤ちゃんにも栄養を届けるため、通常よりもたくさんの栄養が必要になります。
ミネラルなども不足がちになりますので、その様な場合に筋肉の痙攣などが起きやすくなると考えられます。

水分の不足

水分が不足すると筋肉に十分な栄養が届かなかったり、老廃物の排泄がスムーズに行かずにこわばりやすくなります。
水分不足は血流にも影響するので、血行が悪くなり、冷えも加わってこむら返りの起きやすい状態になります。

こむら返りの予防法

こむら返りを予防するには上に述べた4つの原因を取り除くことで予防が期待できます。

足の疲労の軽減

足の筋肉の疲労を軽減するためには動かずにじっとしているのではなく、適度に筋肉を動かすことが大切です。
もちろん激しい運動をする必要はありませんが、ウォーキングなどの軽い運動を取り入れるのも良いと思います。
あえて、ウォーキングをしなくともショッピングや散歩程度の家の周辺などを軽く歩く程度でも十分です。
歩く際には無理をせずお腹が張ったりしたらすぐに休憩をとりましょう。
ウォーキングと共に取り入れたいのがストレッチです。
ストレッチは筋肉の疲労とこわばりを取るのに有効な運動です。
特に、夜の入浴後など身体が温まった状態で行うとさらに効果的です。
こむら返りを予防する場合には下肢のストレッチを中心に行うと良いでしょう。

身体を温める

冷え防止には身体を温めることを取り入れます。入浴はもちろんですが、飲み物や食べ物などで身体を温めるものなどを積極的に取りいれましょう。

ミネラルをとる

ミネラルをはじめとして必要な栄養は食事から補うのが最もおすすめです。
しかし、つわりや体重制限などで食事で補うのが難しいような時にはサプリメントなどを利用するのも良いでしょう。
妊婦さんの場合、ビタミンAなど過剰に摂取するのが好ましくない栄養素もあるので、
サプリメントを使う時には十分に注意して使いましょう。
妊婦専用のサプリメントなどもありますので、そういったものを選ぶのも良いと思います。

水分補給

妊娠中は体が必要とする水分量は妊娠前に比べると多くなります。汗もかきやすく水分の消費も多くなります。
しかし、通常は身体が自然に水分量を調整するので、あえてたくさん水を飲むということは必要ではありません。
しかし、頻繁に夜間のこむら返りが起こるようであれば、水分の不足も考えられるので
寝る前などに水を飲むのも良いと思います。
汗をたくさんかいた後などは塩分などのミネラルも排出されているので、スポーツドリンクなどを飲むのも良いです。
しかし同時にスポーツドリンクは糖分も多いので飲みすぎないように注意します。

それでもこむら返りが起きてしまった時の対処法

これまでお話ししたような予防策をとってもこむら返りが起きてしまうことはあります。
もしこむら返りが起きてしまったときにはそのまま我慢するのは良くありません。

ゆっくりとストレッチ

痙攣している筋肉をできるだけ早く、ゆっくりと伸ばすようにします。
アキレス腱を伸ばすように足先を甲側に反らすようなストレッチをします。
自分でつま先をつかんで、足を伸ばしたまま甲側に引っ張ると良いのですが、妊婦さんの場合には自分ではつま先がつかめないこともあります。
そのようなときなは旦那さんなど他の人に足を伸ばしてもらったり、だれも頼れない場合には足裏を壁に押し付けるなどの方法もあります。

足を温めてマッサージ

ストレッチをしてこむら返りが収まったら、足を温めてマッサージを行います。
温かいシャワーや足湯などがおすすめです。

まとめ

妊娠後期は身体の変化から足に負担がかかり、こむら返りが起きやすい状態になっています。
こむら返りは足の筋肉疲労が直接的な原因になりますが、冷え、血行不良、ミネラル不足、脱水などが合わさって起こります。
運動、栄養、水分補給を取り入れることでこむら返りが起きにくくなります。