母乳過多の辛い張りを解消する、圧抜きと搾乳

新生児期の赤ちゃんなど、まだたくさん母乳を飲めないにもかかわらず、ママのおっぱいがたくさん母乳を作る続けてしまうと、飲みきれない母乳が溜まっておっぱいがパンパンに張ってしまいます。

この状態を母乳過多といいます。

その他にも卒乳時に授乳間隔が減り始めた時にも母乳過多になりやすくなります。

母乳過多でおっぱいがカチカチに張った状態はとても痛くてつらいですし、場合によっては乳腺炎などになってしまうこともあります。

そうならないためには、おっぱいが張って辛くなった時に「圧抜き」をすると良いです。

今回は母乳過多の状態を解消するための圧抜きについてご紹介します。

母乳過多の原因

母乳は赤ちゃんが飲む事でつくられます。

赤ちゃんが一度に飲んだ量や搾乳をした量をママの体が脳に伝えて次の授乳のためにどれくらいの母乳を作り出すのかを決めています。

新生児期などではママの母乳が作られる量は日に日に増加していきますが、新生児期の赤ちゃんはまだ飲み方が上手でなかったり、たくさん飲む事ができなかったりして授乳量と母乳の作られるペースが合わないと母乳過多になります。

また、卒乳時など、いままでに比べて急激に授乳量が減った時などは授乳量と母乳の作られる量のバランスが崩れて母乳過多になりやすくなります。

どちらにしてもおっぱいがカチカチに張ってしまうととても辛く、そのままでは乳腺炎などになってしまうこともあります。

搾乳と圧抜き

同じ母乳過多でも卒乳時とそれ以外の場合では対処の方法が違います。

卒乳時には圧抜き

卒乳時にはおっぱいが張っても搾乳をして張りを取ってはいけません。

搾乳をしてしまうと、ママの脳ではもっとたくさんの母乳を作るように体に指令をだします。

その結果、さらに母乳が作られてしまっていつまでたってもおっぱいの張りはなくなりません。

卒乳時におっぱいの張りが辛い時には「圧抜き」を行います。

圧抜きのやり方

まずは胸の両側から手のひらでやさしく胸をはさんでマッサージします。

さらに両胸の上下左右も手のひらでマッサージします。

その後、人差し指と親指で乳輪の少し外側を左右からつまむような形で胸の奥に押し込みます。

これを数回繰り返して、母乳を少し絞ります。

ただし、母乳を絞る量は片側でオチョコ1杯程度までにします。

少し、張りが取れて楽になったところで終わりにします。

これを数日から10日くらい続けると次第におっぱいの張りがなくなってきます。

完全にスッキリするまで搾乳してしまうと、再び母乳が作られてしまい、すぐに張ってきてしまいます。

ですから、圧抜きはあくまで張りが和らぐ程度にしておくことが大切です。

また、圧抜きは卒乳時以外でも、外出時に搾乳できない時などに少しだけ圧抜きしてやり過ごすといったことにも使えます。

圧抜きはおっぱいを全て空にするわけではないので、張りも完全になくなるわけではありません。

圧抜き後もまだ張ってしまうときには、胸を保冷剤を巻いたタオルなどで冷やすと楽になります。

新生児期の母乳過多には搾乳

赤ちゃんが母乳を飲む量に対してママのおっぱいが母乳を作る量が多いときには適度に搾乳をして張りを解消します。

そして、搾乳した母乳は必ず保存して赤ちゃんに与えます。

母乳過多の状態で搾乳した母乳を廃棄してしまい、赤ちゃんには直接母乳を授乳すると母乳はさらにたくさん作られてしまうので、母乳過多の状態が解消されません。

搾乳した母乳も赤ちゃんに与えることで母乳を与える回数が減り、母乳が余計には作られず、次第に母乳過多が落ち着いてきます。

ただしまれに、搾乳した母乳を哺乳瓶で赤ちゃんに与えると乳頭混乱を起こして、おっぱいから母乳を飲んでくれなくなることがあります。

そのような場合には哺乳瓶ではなくコップなどで搾乳した母乳を与える「カップフィーディング」で与えるか、乳頭混乱を防ぐ哺乳瓶(乳首)などで与えると乳頭混乱になりにくいようです。

まとめ

母乳過多の対処法には「圧抜き」と「搾乳」の2つがあります。

「圧抜き」は卒乳などで母乳の作られる量を減らしていきたい時などに母乳を出し切らずに、おっぱいの辛い張りを解消するために行います。

新生児期の母乳過多などでは圧抜きではなく「搾乳」をして母乳量を落ち着かせるようにします。

そして「搾乳」した母乳は捨てずに赤ちゃんに与えるようにします。

搾乳した母乳を新生児期の赤ちゃんに普通の哺乳瓶で与えてしまうと乳頭混乱を起こすことがあるので注意しましよう。

搾乳した母乳を新生児期の赤ちゃんに与える方法としては「カップフィーディング」や乳頭混乱を防ぐ乳首などを使って搾乳を与えましょう。