1歳を過ぎてもほとんど離乳食を食べてくれないうちの子。
このまま母乳だけをのませていてもいいのでしょうか?
毎食素材にも気を使って一生懸命、離乳食を手作りしているのに見向きもしてくれないと体は大丈夫か心配ですよね。
とにかくイヤだ!というのはわかるんですが、本当のところ何がイヤなのかよくわかりません。
これから復職も迫っていたり、保育園の入園も控えていたりすると、全く離乳食を食べてくれないと困ってしまいます。
今回はそんな時どうすればいいのかについて考えていきたいと思います。
そもそも離乳食は必要か?
ではそもそも我が子が1歳の今、離乳食は絶対に必要なのでしょうか?
母乳のみで離乳食を食べないと体や脳などに問題がでたりするのでしょうか?
心配なのは鉄分の不足
1歳をすぎて離乳食を食べていなくとも、母乳をしっかり飲んでいればほとんどの栄養は問題なく摂取できるようです。
しかし、鉄分だけは外から取り入れなければなりません。
それは、出生児にママから受け継いだ体内の鉄分を使い切っている可能性があるからです。
生後9ヶ月まではママから受け継いで、体内に貯蔵されている貯蔵鉄で鉄分をまかなえるのですが、約9ヶ月でそれを使い果たします。
そして、その後は母乳や食事から鉄分を摂る必要があります。
しかし、母乳中の鉄分の量は少ないので十分ではありません。
そこで、できるだけ食事で鉄分を補給する必要が出てきます。
離乳食か母乳(ミルク)か?
1歳を過ぎているからといって、ほとんどの栄養を離乳食から摂らなければいけないというわけではありません。
労働厚生省のガイドラインでも離乳食が完了しても卒乳する必要はないことが示されています。
WHOやユニセフなどの発表でも2歳過ぎまで母乳を与えることをすすめています。
もちろん発展途上国などで食事が十分でなかったり安全でなかったりといった事情もあるとはおもいますが。
しかし、特別な事情がなく母乳やミルクをいつでもあげられる環境なのであれば、そのまま自然卒乳するのを待つのもいいと思います。
離乳食を食べない、その原因
では赤ちゃんが離乳食を食べてくれない原因はなんなのでしょうか?
あくまで推測になってしまいますが、我が子が離乳食を食べてくれない原因について考えてみましょう。
- 使っている食器がイヤ! 口当たりがキライ!
- そもそも味がキライ!
- ニオイがキライ!
- 食感がキライ!
- 食事が楽しくない!
- 母乳のほうが全然好き!
- お腹が空いていない!
こんなところでしょうか?
とりあえず原因が推測できたら、これらを少しずつ変えたりして様子を見てみましょう。
離乳食を食べてもらう工夫
ではどうすれば今よりも離乳食を食べてもらえるのか?
食べて欲しい量についてはそれぞれで違っても、全く食べないと食事の練習にもなりませんので、すこしでも離乳食を食べてもらうための工夫について考えてみましょう。
1食器を変える
スプーンなどの直接口の中に入ってくるものが好きではないのかもしれません。
シリコン、プラスチック、ステンレスなど様々なベビースプーンがあるので、好みに合うものを見つけてあげましょう。
食器もかわいいものや楽しいものに変えてみましょう。
2食材を変えてみる
離乳食は知らず知らずワンパターンに陥りがちです。
しかし、同じものばかりだと赤ちゃんもさすがに飽きている可能性があります。
たとえば、同じ穀類をベースにする場合でも、米、うどん、パンなど変化をもたせてみましょう。
ただし、そばや小麦粉などアレルギーの可能性のあるものについては注意してください。
3食感を変えてみる
ひょっとして、口に入る食材の大きさや柔らかさなどが好みでないのかもしれません。
無理のない範囲で、少し大きめに切ってみたり、固めに煮たりして食感に変化をもたせてみましょう。
4味や香りを変えてみる
味や香りといっても調味料で濃いあじに仕上げるということではありません。
「だし」を使って「うま味」を効かせてみましょう。
うま味にはアミノ酸のイノシン酸、グルタミン酸、グアニル酸などがあります。
そのなかでもグルタミン酸は母乳にも含まれていることがわかっています。
グルタミン酸を多く含む昆布をベースに香りの良いかつおなどを加えてだしをとるといいでしょう。
粉末だしなどは塩分が強い場合もありますので、だしはできるだけ天然の素材からとるようにします。
5食事時間を楽しく演出
せっかく作った食事を全く食べてくれないとついママもイライラしてしまいがちです。
しかし、離乳食の時期は食べる行為に慣れる、大切な練習の期間。
ママがイライラしていると赤ちゃんも楽しくないかもしれません。
できるだけ食事は楽しいのだということを学べる場にしたいところです。
たとえ食べてくれなくてもミルクや母乳をあげるからいいや、くらいの気持ちでいるほうが楽しめるかもしれません。
また、赤ちゃんだけ時間をずらして食事をしているなら、家族みんなで揃って食べるのもいいかもしれません。
パパやママ、兄弟姉妹が楽しそうに食事をしている様子を見ていると、赤ちゃん自身も食べたい欲求が湧いてくる可能性もあります。
天気のいい日は公園などでピクニックしながらお昼を食べても楽しいかもしれません。
食器を可愛くしてみたり、キャラ弁風にしてみても楽しめます。
6授乳回数を減らす
それでも食べてくれない時は、もしかすると単純にお腹が空いていないのかもしれません。
現在かなり頻回に授乳しているようでしたら、1日の授乳回数を減らして間隔をあけてみましょう。
それでもはじめは食べないかもしれませんが、しばらく続けると食べ始めることもあります。
また、時間をきめて断乳してみてもいいかもしれません。
とくに保育園の入園を控えている場合にはお昼の時間にあわせて断乳をしてみましょう。
7試しに完全に断乳してみる
最近は無理に断乳するのではなく自然に卒乳したほうが良いといわれています。
しかし、授乳回数を減らしたくらいでは全く食べてくれないという場合には期間を決めて完全に断乳してみると食事を食べてくれることもあります。
ただし、1日断乳しても、なにも口にしてくれないような時には脱水などの恐れがあるので中止してください。
無理に母乳やミルクをやめる必要がない場合
復職などで授乳できないといったような理由が特になく、現状のまま母乳中心であっても特に問題がなければ無理に断乳などをする必要はありません。
自然に卒乳するまで待っても良いと思います。
しかし、食事を摂る練習は続ける必要がありますので、少しずつ食事から栄養を摂れるような工夫は継続していきましょう。
とくに母乳が主な栄養源になっている場合には鉄分が不足する可能性がありますので、鉄分の豊富な食材を使ったり、鉄の鍋を使って調理するなどの工夫をしたり、必要であれば鉄剤などを病院で処方してもらいましょう。
フォローアップミルクを飲んでいるのであれば鉄分は必要な量が含まれています。
また、母乳にも少量ではありますが、鉄分が含まれますので、ママもしっかりと鉄分を摂るようにしましょう。
まとめ
1歳を過ぎても離乳食がほとんど進んでいないとさすがに不安になります。
しかし、卒乳の時期は子供により1歳前に来る子もいれば、3歳過ぎまで来ない子もいて、個人差がとても大きいものです。
消化機関を含めて体の成長や発達も子供により個人差があるので、1歳だからといって無理に母乳から離乳食に切り替えなければいけないということはありません。
鉄などの不足に注意すれば母乳やミルクからでも必要な栄養はきちんと摂れます。
しかし、食事の練習は必要です。
また、保育園入園などを控えている場合には昼ごはんだけでも食べられるようにしておきたいものです。
そんな時、今回ご紹介した方法のいくつかを試してみてはいかがでしょうか?